今回の記事は看護学生向けです。
看護学生は病院に実習に行きます。
その時、自分の受け持ち患者さんの「看護目標」を考えて、それに沿った看護プランを作成し実践していきます。
で、学生は毎回「看護目標」で悩むわけです。
何時間、紙に向かって「うーん」と悩むことか…。
他にも予習や今日の実習記録などやらなきゃいけないことが目白押しなのに、「あーっ、もう!」ってなります。
そこで、回復期リハビリテーション病棟に実習に来られる看護学生向けに、おすすめ看護目標をお教えします。
くれぐれも、看護学校の教員には内緒だよ!(笑)
❚ 回復期リハ病棟で使える看護目標ベスト5
【1位】転倒予防
王道中の王道。
受け持ち患者さんによりますが、たいていはこれを書いとけばOK。
回復期リハではまだまだ歩行が不安定な患者さんが大勢いらっしゃいます。
つまり、転倒がいつ起こってもおかしくないのです。
病棟の看護師もそのへんはとてもナーバスになっていますので、転倒予防策を考えるといい看護につながるでしょう。
なんといっても、安全第一でいきましょう。
例)
看護目標【転倒することなくリハビリ入院生活を送ることができる】
「片麻痺による移乗、移動時の転倒リスクに関連した身体損傷リスク状態」
【2位】環境調整
1位の転倒予防を目標に挙げたのなら、これも挙げときましょう。
これで2つ書けましたね。
転倒を予防するには、ベッド周りの環境を整えることが大切です。
例えば、ベッド横に置いてある車いすはブレーキをちゃんとしてあるか?
車椅子を置いている位置はベッドから患者さんの手が届きやすいか?
荷物がごちゃごちゃ置いてあって、足を引っかけたりしないか?
よく使うものはすぐに手が届く場所に置いてあるか?
など、患者さんが物を取ろうとしてバランスを崩して転倒しないように、安全第一を考えましょう。
例)
看護目標【安全に移動ができるように患者自らがベッド周囲の環境を整えることができる】
「起き上がり介助にともなうベッド周囲の環境調整に関連したセルフケア不足」
【3位】 口腔ケア
口腔ケアは看護学生もできます。やらせてもらえる病院は多いんじゃないでしょうか。
食後に食べ残しがないか、口腔内を観察して怪我しているところはないか、チェックしましょう。
あと、入れ歯がきちんと洗えていない場合があります。看護学生は入れ歯の手入れもできますので、やらせて貰えるのなら、やってみるとポイント高いかも。水洗いでもいいし、あまりに汚れがひどい時はポリデントに浸けて、実習が終る前に洗ってケースに戻しておきましょう。
さらにポイントが高いのは、食前の口腔ケアです。
これは現場の看護師もなかなかできていないことが多い。いや、ほとんどできていないでしょう。
本当は、食後よりも食前の口腔ケアのほうが大事とまで言われています。
食べる前に口腔ケアをすることで、誤嚥性肺炎の予防になります。
口の中の雑菌が気管に入りにくいですし、嚥下の筋肉のいい準備体操になりますから。
なので、必要性のある患者さんでしたら、これも取り入れるといいと思います。
例)
看護目標【毎食前後の口腔ケアをおこない誤嚥性肺炎の発症を抑えることができる】
「嚥下障害による誤嚥性肺炎リスクに関連した口腔ケアセルフケア不足」
【4位】 不安の軽減
患者さんはいろんな不安を抱えて入院しています。
「はやく家に帰りたい」
「仕事は大丈夫だろうか」
「体が元に戻るんだろうか」
ほんとに千差万別です。
認知症の方で「なぜここにいるのか分からなくなる」時があります。
そうすると「帰る、帰る」とソワソワされる場合がよくあるんです。
そうした時に、傍で患者さんの話を親身に聞いてくれたら、安心されるんですね。
学生さんは「ええ、そうですよね」と、相手の話すことをひたすら聞く。それだけで「あ、この人は話を最後までちゃんと聞いてくれるいい人だ」となりますので、傾聴は大事です。
ズバリ、不安の軽減は「相手の話を親身になって聞くこと」
例)
看護目標【見当識障害にともなう不安の軽減ができ、安心して入院生活を送ることができる】
「帰宅願望にともなう焦燥感に関連した不安」
【5位】褥瘡予防
「え、回復期リハ病棟で褥瘡ってあるの?」
と思ったかもしれませんが、あります。
基本的に自分で動かれる方は褥瘡(床ずれ)は発生しにくい。
だからリハビリをしている患者さんには床ずれは発生しないんじゃないかと思いますよね。
ところが、車いすに長時間座っているだけで褥瘡はできたりするんです。
また、麻痺のある方でしたら、足に装具をつけて歩かれる場合、装具が足の皮膚にこすれて傷ができることがあります。
また、下痢が続いている患者さんでしたら、おしりの皮膚が脆弱になって皮膚トラブルの原因になります。
こうしたことは回復期リハ病棟でもよくあるのです。
もし受け持ち患者さんがこうした状況にあるのでしたら、褥瘡予防をプランに入れてみましょう。
例)
看護目標【定期的な除圧をおこなうことで褥瘡の発生がなく入院生活を送ることができる】
「自己による臀部除圧不足にともなう長時間の車いす座位に関連した皮膚統合性障害」
❚ まとめ
回復期リハ病棟でおこなう実習は「老年看護」でしょう。
そう、回復期に入院している患者さんのほとんどは老年期の患者さんです。
なので、老年期のからだの特徴をしっかり勉強しましょう。
たとえば転倒したときの骨折好発部位とか。誤嚥性肺炎についてとか。便秘。認知症。浮腫。不眠など。
リハビリを見学する機会も多いと思いますので、MMTとか、装具の名前や特徴、血圧基準値も押さえておきましょう。
看護目標や看護問題の例を出しました。
これをベースに自分の受け持ち患者さんの状態を考えてアレンジしてください。
そのまま書いてしまうと、患者さんの実態に合わない変な目標や看護問題になるでしょうから、そこはしっかりと考えてくださいね。
さて、実習には気力と体力を使います。
怖い教官、指導ナースが現場にいるかも知れません。
ですが、所詮2週間程度です。
なので、踏ん張りましょう。
あと、風邪を引くとか、体調不良になって休んでしまうと、あとで単位がめんどくさいことになりますから、できるだけ休まないようにしっかり体調管理をしましょう。
これ超重要です。
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最後に、持っていると実習に役立つ本のご紹介です。
私が実際に使ってよかったものです。しかも、晴れて看護師になってからも超使える!
回復期だけでなく急性期でもOK。ポケットサイズで持ち運び便利。しかもコンパクトなのに中身が充実しているのでお値段以上の価値あり。一番おすすめ。
買う前にどんなのか知りたい人にレビューもあるよ
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定番ですが、やっぱり持っておきたい。
気持ちが弱ってきた時の起爆剤。私、ピストンのTwitterをフォローする。
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人に相談ができる、
— ピストン@ココロとカラダ健康増進認定看護師 (@nursepiston) January 14, 2020
これってハードルが高いものです。
自分の弱さを、未熟さをさらけ出すことになるから。
すぐ相談してくる人もいますが、相談することに一種の壁を感じている人は自己肯定感が足りないのです。問題を解決する為に行動していると思えば「困ったら相談していいんだ」と楽になります。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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