夜勤の仕事なんて、今まで経験がない人がほとんどでしょう。
タクシー、飲食店、コンビニ、など夜勤をしている仕事はあれど、今まで看護学生だった新人看護師は夜勤の経験がないはずです。
経験がない。
これほど不安なことはありません。
私も新人のころは超不安でした。
しかし、中堅になった今となっては、夜勤がつらいと思っている新人看護師に断言できます。
そのつらさは克服できます、と。
◆ 新人看護師は夜勤がつらい【それ、克服できます】
克服できる理由は、どんな新人看護師も必ず成長するからです。
成長とは、過去の自分から変わることです。
「今だからこそ過去の自分に教えたい」
こう思える日が必ず来ます。まさに自分が成長した証です。
「克服できる」と言われてもこんなにつらいのに本当に克服できるの?と思うかもしれません。
単にそう言われただけではピンとこないでしょう。夜勤を克服するためには、夜勤のつらさを分析し、解消法を探ることから始めましょう。
まず夜勤のつらさの理由と、そのつらさが和らぐ方法を考えてみます。
◆ あなたはどのつらさ?夜勤がつらい理由
① 急変が怖い
おそらくこの理由が一番多いのかもしれない。
急性期で働くときは特にそうでした。
「夜勤で急変が起きたらどうしよう…」
そのような声を何度聞いたことか。
たしかに夜勤の急変は人手が超少ない分、夜勤者の対応にかかってきます。
極端な話、自分しかいないのでやるしかない!
でも内心、急変という恐怖と闘っています。目の前の患者さんを救うために必死になる。
急変対応は新人には荷が重いと思います。
2~3年目でも荷が重いものです。なので、夜勤中の急変がつらいと思うのも無理はありません。
急変対応の苦手意識を克服するためには、慣れが必要です。
もちろん急変対応の勉強が必要ですが、何はともあれ「慣れ」です。
夜勤は月に3~6回程度あると思いますが、すべての夜勤で急変が起きるわけではありません。
人によっては全然急変に当たらないというナースもいます。
急性期でも急変によく当たる人とあまり当たらない人がいます。
いづれにしても、もっと急変対応の経験値をあげるには、日本ACLS協会のBLSコースを受講することをおすすめします。
ここは急変対応の勉強ができ、実技もしっかり受けられます。
しかも、一度各コースを受講して合格したら、何回でも無料で再度受講できます。
つまり、何度でも復習ができるわけです。
これはお得、うれしい。
私も急変対応が苦手だった時期がありました。これではいけないと、日本ACLS協会のBLSコースを受講し認定を取得しています。
合格して認定を受けると、やはり自信が以前とは全然違います。
自らすすんで受講し、復習する。じっとしていても怖い気持ちは消えません。行動しましょう。
この気持ちがあれば大丈夫です。
BLS(一次救命処置プロバイダー)コースは一日で取得できます。
全国に会場がありますし、開催日は多いのがうれしい。
ご都合のいい日を選んで受講できます。必要な持ち物は以下の2つです。
① BLSプロバイダーマニュアル(これは必須)
② 成人用、小児用ポケットマスク(もし忘れても現地で購入できますが、事前に練習したい人はどうぞ)
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② 責任の重さが日勤以上なのがつらい
夜勤はスタッフの数が少ない分、自分一人にかかってくる負担は大きいです。
ですが、夜勤の業務はほぼルーティン化しているのが普通です。
落ち着いて業務をこなしていきましょう。
分からないことは先輩に聞きましょう。早く仕事を覚えてくれた方が、先輩の一緒に夜勤がしやすいです。
先輩に聞きにくいことは、事前に同僚に聞いておきましょう。
注意しておきたいことは、患者さんの体調の変化です。
人の少ない夜勤にかぎって調子が悪くなるもの。
私も嫌というほど経験しました。
しかし夜勤をする以上は避けられません。
私のおすすめ克服法は、「フィジカルアセスメント」を勉強すること。
フィジカルアセスメントは非常に重要です。
これがわかると日勤だろうが夜勤だろうが、必ず役に立ちます。
患者さんに何が起きているのか?
観察からどう導き出せばいいのか?
「観察で始まり観察で終わる」と言われるほど、看護師は観察が命です。
これを鍛えましょう。
私がよく利用するセミナーがあります。メディカ出版とエムハンクです。
一人で勉強するのもアリですが、やはり内容がちょっと高度ですのでセミナーに参加したほうが分かりやすいです。しかもお金を休日をつぶして参加するので、やる気になります(笑)
リンクも貼っておきますね。
私が一番分かりやすいと思う山内豊明先生のフィジカルアセスメントの本です。
実際に山内先生のセミナーに参加したことがありますが、めちゃ分かりやすくてそれ以来ファンになりました。
この山内先生の本は、私が普段からよく使っているフィジカルアセスメントの本です。
新人からベテランまで使える、フィジカルアセスメントを理解しマスターするためには外せないと思います。
③ 認知症など患者対応が難しい
夜間は昼間と違って、思わぬ行動に出る患者さんは多いです。
夜勤をやり始めて気が付いたと思いますが、夜は昼間とは患者さんの行動が違うことがあります。
不穏、せん妄という症状が現れやすい。
大声で叫ぶ、家に帰ると言ってきかない、点滴やチューブ類を引っ張る、暴力を振るう、など対応が難しいことがよく起こります。
夜間はトイレで起きても、寝ぼけているので足腰が非常にふらついているもの。
昼間と同じ患者さんなのか?と思うほど、寝起きというのは足がふらつきます。
そうなると転倒リスクは高くなります。
できれば家族に付き添ってもらう。
医師に相談して夜、眠れるように服薬調整をする。
もしものときは、落ち着かせる注射をする。
過去に私の家族が入院しました。夜に暴れていたので何日も病院に泊まったことがありますが、家族の負担を考えると毎晩付き添うのは大変です。
なので、早めに医師に服薬調整の相談をすることをおすすめします。
やはり夜は寝るためにあるのです。
念のため、せん妄をよく理解し解決するための基本的なことが書いてある本をご紹介しておきますね。
④ そもそも夜に起きているのがつらい
最近の若いナースを見ていると、夜型の子がけっこう多いような感じがします。
やはりSNSなどスマホを夜遅くまで見ている人が増えているからでしょうか。
夜遅くまで起きている習慣が付いていると、どうしても朝型に睡魔が襲ってきます。
「夜に起きているのがつらい」と言っている新人ナースを見ていると、準夜帯はまだ元気なのですが、朝方になるにつれて睡魔が襲ってくることが多いですね。
たしかに夜は寝るためにあるので、夜眠いのは当たり前といえば当たり前です。
でも夜勤の仕事をしている以上は仮眠以外は起きていなければなりません。
「寝貯め」をしようと夜勤前にたっぷり寝ておこうという人がいますが、基本的に「寝る」ことを貯めることはできません。
なので、普段から生活リズムを整えることが大切です。
夜型人間はどうしても朝に弱い傾向があります。
⑤ 家庭の事情で夜勤がつらい
小さなお子さんがいる人でしたら、夜勤中は親に預けたり姉妹に預けたりと何かと家族の協力が必要です。
また、諸事情により親や姉妹に預けにくいことがあります。
そうするとベビーシッターを雇ったり、友人にお願いしたりと費用や気苦労が絶えません。
実際にこういうケースを見たことがあります。
そうすると夜勤中も家のことが気になりますし、夜勤の回数を減らしてもらうなど職場で気持ちよく働くことができなくなります。
この場合は、スパッと夜勤を一旦やめてしまうのがいいと思います。
お子さんがある程度大きくなってからでもいいんです。
夜勤代が欲しいとか、いろいろあるのでしょうが、集中して夜勤ができないと危険です。
◆ シフト制の違いで、それぞれのつらさがある。
看護師の勤務は三交代と二交代に大きく分かれます。
最近は二交代制が多いようです。
三交代だと24時間を3分割しますので、1勤務8時間労働です。
これだと深夜勤務では夜の1時くらいに出勤することになります。準夜帯が終って帰る時間もそれくらいの深夜になります。
そうするとタクシーチケット代がかさんで経営的に嫌がられることがあります。
また、そんな深夜に街に出ることへの危険があります。
長く勤務することで申し送りの回数が減ったり、引継ぎが頻繁にしなくてすみます。
こうした理由から、最近では2交代制が多いと言われています。
3交代制は8時間毎のシフトになります。
8時間で終わればいいのですが、残業があると次のシフトまでの時間が減ります。
深夜の出勤もあり、個人的にはゆっくり休められる感じが少ないように思えます。
働くナースにとって、2交代制のほうがいいと思います。
2交代のほうが、休みをまとまって取りやすい。
シンプルで分かりやすいシフトと言えますので、私は2交代支持です。
もしどうしても家庭の事情で夜勤が難しい場合は、スパッと夜勤を止めるか、自分の働きやすいシフトを師長に相談しましょう。
◆ まとめ:怖さを克服する。日頃の体調管理をしっかりする。
夜勤がつらいと思っている新人ナースは多い。
でも一年、二年と夜勤を続けていくと体も慣れてきますし、業務を覚えて時間配分の感覚が分かってくるにつれて動きやすくなります。
夜勤のつらさはいろいろありますが、何もしないままだと克服することは難しいと思います。
自分がいったい何につらいと感じているのか?しっかり自己分析をしましょう。
夜勤は、ただ勤務するだけでもしんどい。何もないおだやかな夜勤であってもしんどいものです。
夜は寝るためにあるので、そんな夜間に働いていると気付かぬうちに身も心も消耗してしまいます。
しっかりと自分をケアしてあげて、次のシフトに備えましょう!
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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