f123969ae647ededb241daabf85f1ec5_s (1).jpg


採血が苦手という看護師はきっと「血管選びが下手」といえるでしょう。

血管さえいいのを選べれば、きっと成功率が大幅にアップします。


採血の手技の本やコツを書いた本、サイトは山のようにありますが、どれもだいたい似たようなことを書いてあります。

■ 刺すときの角度は15°~20°

■ ある程度勢いをつけて刺さないと、針先が血管から逃げる。

■ 血管がわかりにくい時は、腕を暖めると血管が出やすい。また腕を下げて心臓より下にすると血管が出やすい。

など、だいたい上記のようなことが書いてあるはずです。

それはその通りです。

しかしながら、そのようなことをどの本やサイトに書いてあるにも関わらず、失敗ばかりする看護師は後を絶ちません。

そこで、今回は、私の経験を活かした「採血が成功するコツ」をご紹介します。


◆ 一番重要なのは、ぷくっと膨らんだ感触がある血管以外は刺さないこと。

1f71fe96bb4260b0935374bc2da992c9_s (1).jpg


これが曖昧なので、失敗するんです。

私は新人の頃は、採血が失敗続きでとても苦手でした。

そこで先輩のやり方を見たり、本やサイトで勉強したりして自分のスキルアップをしてきました。

でもやはり失敗が続きました。


今思えば、「血管選びが下手」だったんです。


血管選びさえできれば、もう成功したようなものです。

指先で感じられるぷくっと膨れた感触のある血管で「よし、これはいける!」と自分で自信が持てる血管を探すこと。

これ以外の血管で採血をすると、まず失敗します。


特に、「このへんかなぁ…」と指先で血管を確認できていないのに針を刺すと、失敗します。

失敗をよくする看護師さん、心当たりはありませんか?

当てずっぽうで刺してもダメです。まず成功しません。私も今だから告白しますが、未熟だったころは「えいやっ!」と心の中で「この辺だろう」と当てずっぽうに刺したことがありますが(患者さん、すみません…)、100%失敗しました。


なので、成功したいなら自分の指先にぷくっとした血管の膨らみを感じられる血管しか選んではいけません。

これは、腕だろうが、足だろうが同じです。


◆ ぷっくとした血管が見つからない時はどうしたらいいのか。

とはいえ、「そんなぷくっとした膨らみのある血管が見つからないんですけど…。そんなときはどうしたらいいんですか?」

これはよく質問されるのですが、ぷくっとした血管は必ずあります。

あなたが見つけられていないだけです。

「いやいや、ほんとにないんです。嘘だと思うなら触ってみてくださいよ」

と決まってそう言われるですが、実際に患者さんに触ってみると、あります。微細な膨らみが必ずあります。

それを見つけられるかどうかです。


どうしても血管がわからない時は、

① 上記の「暖める」「刺すところを心臓より下にする」をやると血管が膨らみやすい。

② 腕の場合、「正中」が一番狙いやすく失敗も少ないが、「正中」にどうしても見つからないときは、「正中」の約2~3センチ横に血管があることが多い。(左右両方をチェックすること)

③ 上腕二頭筋あたりにあることも。

④ 片方の腕にいい血管がなくても、反対の腕にはあったりするので、片方の腕だけで「血管がない」と判断しないこと。

⑤ 微細な血管の膨らみは必ずあると信じて、指先の神経を研ぎ澄ます。


これでも血管を見つけられない場合は、まだまだ指先の感覚が甘い証拠です。もっと指先に感覚を研ぎ澄ませて経験を積みましょう。


数多くの採血経験からいえるのは、ベテランナースは自分が「よし、これはいける」と思える血管しか刺さないということです。そしてその血管は必ずあるので、それを信じて指先の感覚を研ぎ澄ませていきましょう。

私はもともとかなりどんくさい人間ですが、数々の失敗から「血管選びこそ、最大の成功のもと」であることを確信しました。


◆ 【これも超大事】 採血をするときは「自分がやりやすい姿勢」をとること。

3cd35e38eaa8cb86a6e8e0bc152a9256_s (1).jpg


これも採血を成功させるためにはかなり大事なことです。


超重要!

自分がやりやすい環境を作ること。
大幅に成功しやすくなります。



ちなみに私の場合、邪魔なベッド柵を外します。椅子を持ってきて必ず座って採血をします。患者さんはベッドに仰向けに寝てもらいます(これは例外あり。車いすに座っている状態のときもあります)。ベッドの高さを調整して自分がやりやすい高さにします。


このように「自分がやりやすい環境を整える」ことで大幅に成功しやすくなります。

無理な姿勢で採血をするのはやめましょう。失敗の元です。

遠慮はいりません。ベッドを動かしたり、面会の家族がいたら席をはずしてもらうとか、とにかく成功のために自分がやりやすい環境を作りましょう。


いかがでしたか。

看護師は採血がうまいとそれだけでベテランのように見られます(笑)

しかも患者さんにとっても、苦痛が少なくていいことなのです。

「採血は経験」と言われることがありますが、とにかく「指先でぷくっとした血管が感知できるか」にかかっています。

今では私は、特に夜勤では、あちこちの病棟からヘルプで呼ばれるくらい上手くなりました。

「どうしても血管がないんです。採血、お願いします」

と他病棟のナースから呼ばれて、「どれどれ…」と患者さんの腕を見る。すでに失敗してあちこち刺された跡がある。私が他の誰もが見つけられなかった血管を探しあて、針を刺す。すると血管に見事入った針先から逆血を確認する。「よし、成功」。採血されたスピッツを置いて、「それじゃ」と去っていく。

自分に酔いながらそのあと勤務を続ける。


いいじゃないですか。

もう一度いいます、ぷくっとした血管は必ずあります。正中か、正中の数センチ横。もしくは上腕二頭筋あたり。

血管を見つけられれば、もう成功したようなものです。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


カテゴリ

タグ