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以前勤めていた病院での出来事です。

後輩看護師が私に転職の相談をしてきました。

その子はこの病院を辞めて他の病院に行きたいと。もうここはしんどくて環境を変えたい、心機一転がんばりたいとのことでした。

私はその子がやりたいことがあって、この病院にいるとそれができないのであれば転職して自分の可能性を試してみたらいいとアドバイスしました。転職は自由。新しい環境にいくことで自分の力が発揮できることもある、と言いました。

すると、後で師長から呼び出されました。そして注意されました。

これについてのお話です。




◆ 「辞めたい…」後輩から転職の相談を受けてアドバイスをしましたが、何か?

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事の発端は、私が転職することを肯定したために、転職するかどうか迷っていた彼女が辞めることを決心したことです。意を決してその子が辞めたいと看護部長のところに言いに行ったことで、私がアドバイスをしたことが看護部長に伝わったというわけです。それを知って看護部長は「なんてことを言うのだ」と私に指導をしておけと直属の師長に言いました。そして私は師長に呼び出しをくらって注意を受けました。


師長「あなたあの子に辞めるように言ったんでしょ」

私「はい、そうですけど」

師長「あの子部長のところに来て辞めたいって言ってきたよ。あなたがそそのかしたって部長が怒っていたよ」

私「そうですか。私は自分の意見を言っただけですよ」

師長「それがいけないのよ。部長は『なんてこと言うの』って怒ってた。私は『ちゃんと指導しておいて』と言われたのよ」

私「転職するのは個人の自由でしょ。しかも部長も師長も転職してこの病院に来たんじゃないですか」

師長「とにかく、今後余計なことは言わないで」


とまあ、こんな感じの会話がありました。

看護部長は、私が転職を悩んでいる子の背中を押したことが気に食わなかったそうです。

それで師長に「もうそんなことを言わないように指導しとけ」と言った。


そのあと結局その子は辞めて、別の病院に転職しました。

私はそれでよかったと思っています。こんな不当に職員を辞めさせないようにするところは、さっさと辞めたらいいんです。


◆ 部長の言っていることはめちゃくちゃです。

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看護部長の言っていることはめちゃくちゃです。

従業員には辞める権利があるんです。しかもですよ。当の看護部長や師長も、転職してきた人です(笑)自分だって転職してきたじゃないか。なのに部下には転職させないなんて、めちゃくちゃです。


法的に不当に辞めさせないのは違法です。

これが分かっていない看護業界。


法律なんて勉強してきたことがない人達ですから疎くて当然かもしれませんが、管理者であるなら、基本的なことくらいは知っておいて欲しいものです。

まあ、そのあとも私は同僚後輩ナースから転職や辞める相談をいっぱい受けていますけどね(笑)


ちなみにこの看護業界によくある「奨学金制度」で、まだ返済が残っているのでそれを盾に辞めさせないということがあります。これも違法です。金を盾に辞めさせないのは違法です。たとえ奨学金が残っていてもです。

労働基準法第16条使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。


その他に多いのが、「辞める1年以上前にそのことを看護部に言え」というもの。これも多くの病院であります。

辞める半年前に看護部に言ったら「もっと前に言わないと認めない」とか「1年前には言えって言ってるでしょ」と断られるパターンです。

まあ、合理的理由があって双方が納得していればいいのですが、そうでないならよくありませんね。

これも法的根拠はないです。

民法第627条当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。


看護師は法律を知らない人が多いので、部長や師長から違法なことを言われても「そういうもんなんか」とだまってしまう。


私は黙っていません(笑)実際、前の病院を辞めたときは民法第627条を理由に辞めましたから。


◆ 職場改善をしないと、いつまで経っても変わりません。

ずーーっと言い続けているのですが、看護師はとても転職が多い職業です。ということは、よく辞めるということです。辞める理由は人それぞれですが、多くは職場の人間関係です。職場の人間関係さえよければ、多少忙しかろうが、多少給料が低かろうが、我慢しやすくなります。働きやすさが全然違います。

多くの悩みは「対人関係」です。

もちろん業務内容の改善も必要です。

これほど看護師が毎年大量に辞めている現状について、国会議員や行政は一向に改善には前向きではないのです。看護師の国会議員も何名かいます。日本看護協会は日本最大級の団体です。会員数はなんと約75万人!日本看護協会発表745,743人(2019年3月31日現在)

これほどの会員数を誇る団体でも影響力が小さいんですかねぇ。。。

日本看護協会もいろいろ改善策を考えていますが、これといって決め手になるようなものではありません。


なので、今の現状では本当に苦しいのであれば転職する気持ちを後押ししたりします。

今日もどこかの病院で悩んでいる看護師がいっぱいいることでしょう。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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