脳卒中リハビリテーションに必要なことはたくさんあります。
たくさんありますが、今回は時間とリラクゼーションと栄養の3つについての話です。
◆ 回復には時間がかかるもの。だから待ちましょう。
脳は神秘な臓器です。
以前は一度壊れた脳は修復しないと言われていました。ある機能をつかさどる部位にダメージが起きると、その機能は永遠に失われるという。
しかし最近の研究では、脳はダメージを負ってもなんとかしようとあれこれ方法をとろうとすることが分かってきました。
脳卒中リハビリテーションを行っている患者さんで何年かリハビリを継続している方なら、実感する人がいると思います。
去年の自分より今年の自分のほうが少しではあるけど回復していると。
脳がダメージを負うと、脳は「こりゃ大変だ!!」とパニックになりますが、段々と落ち着きを取り戻してきます。そして今までなかった新しい血管を作って伸ばしていき、新しい脳細胞を構築して失った機能の代わりを作ろうとします。
実際に、脳卒中で言語障害が出たにもかかわらず、時間が経過して、急にしゃべり始めるという例があります。その人の脳を画像診断すると、脳卒中でダメージを負った方の脳(言葉をつかさどる左脳)とは反対側の、右脳の中に新しい血管ができて血液の供給を受ける新しい組織が誕生し、言語刺激に反応して血流が増えるということがあったそうです。
脳は時間の経過とともに修復しようとします。修復できないようなダメージは、別の脳細胞がその代わりをしようとします。
これは個人差があり、どう変わっていくのかは確定的なことはいえません。
脳の血管には側副血行路というのがありまして、脳細胞につながる主たる血管がダメでも、別の細い血管がつながっていてそこから血液の供給を受けることができるようになっていきます。
脳画像で半分の脳がダメージを負う大きな脳梗塞を起こした患者さんなのに、不思議とちゃんと歩けるしこちらの言っていることが分かったり、ご飯もちゃんと食べられたりする方に会ったことがあります。
これほど大きな脳梗塞を起こしたにもかかわらずこのように意外と軽い?症状なのは、おそらく側副血行路がよく発達した方なのだろうと推測されます。ダメージの周りの毛細血管が発達して、うまく血液の供給がされているのでしょう。私は脳画像と症状がこんなにも合わないことに非常に驚いたものです。
リハビリは時間がかかります。
その長い時間をかけたリハビリはきっと成果がでるはずです。ただダラダラとリハビリをするよりも、目的意識を持って、まるでアスリートのように自分の高い目標を持って「必ず勝つんだ。メダルを取るんだ」という自分の課題がちゃんと分かっている方は、そうでない方よりも成果が出やすいです。
脳は自分で修復しようとがんばっていますが、それをより強化しようとするならリハビリを頑張るしかありません。
だから病院にもいます。ただ単にリハビリ入院をしてきた患者さん。何年も集中リハビリ目的で何度も何度も入院してきますが、一向に成果が出ない人がいます。
そういう人にはある共通した特徴があります。
自分でできるのに、自分でやらない人です。
自主トレをしない人です。
集中リハ目的で入院しているのに、空いている時間、歩けるのにずっと車いすやベッドの上にいてTVを見て、自主トレをしない人です。
◆ リラクゼーションと脳卒中
脳卒中後は、筋肉の過緊張が起こりやすい。
たとえば足が異常に突っ張るとか、腕が固まってしまって肩が上がらないとか。
こうしたことから解放させるために、リラクゼーションが大切です。
リハビリを受けたことがある方ならよくお分かりと思いますが、セラピストは運動をする前に患者さんの関節を動かしたり筋肉等のマッサージをします。
脳卒中リハでは特にこうした緊張をほぐすということが大切です。
患者さんの筋のこわばり具合にもよりますが、立っているけど自分がしっかり立てているか分からないことがあります。また、何もないのに突然よろめくことがあります。次の動作をしたときにどういう危険な状況になるのか予測ができず怖くて一歩を踏み出せないことがあります。
こういうことがあると、よけい筋が緊張して硬くなってしまいます。
だからリラクゼーションは重要です。
傍目には気持ちいい事をしてもらっている「あん摩」のように見えるかも知れませんが、リハビリをする上で大切なことです。
◆ 脳の修復に栄養が必要です。
ダメージを負った脳は修復のために栄養を欲しています。
栄養のあるバランスのとれた食事をしっかりとりましょう。
壊れた脳を修復するには、たんぱく質、糖分、脂肪、カルシウムが必要です。たっぷりとりましょう。
食が細いと筋肉の付きが悪くなります。私は元ボディビルダーでありますので、運動する人はしっかり食べることが大切であるといつも言っています。
それと興味深い話があります。
「脳卒中後うつ」というのがありまして、脳卒中になった後うつになりやすい傾向があります。脳卒中になった方の約30%がなるという報告があります。
そして、「肉を食べてトリプトファンを摂れ」という話です。
トリプトファンは精神安定作用のセロトニンの材料です。
肉、魚、乳製品、ブラックチョコレート、豆類、玄米、ブロッコリー、大根などトリプトファンを豊富に含む食材を食べることが、うつの予防になるというのです。
突然脳卒中になり、今までの自分の身体と違ってしまうことは精神的にも大きなダメージになります。
病気を受け入れられず鬱傾向にある方には、ぜひこうした食品を多く食べてもらいたいと思います。
時間・リラクゼーション・栄養
これらは脳卒中リハビリに大切なことです。
あせらず、でも着実に継続していきましょう。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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こんにちわん~
睡眠サプリに
トリプトファンの入ってるアミノ酸系飲んでます
寝る1時間前に幸せホルモン セロトニンと
関係ありますね
ナッツにも含まれてますねっ
リハビリは根気がいりますね
みうさぎさん>>コメントありがとうございます。
そうです。トリプトファンはセロトニンの材料です。
ナッツなど豆類もいいですね♪
リハビリは時間がかかります。根気よくいきましょう。
小生は整形ですがリハ病棟に長く入院していました。そのときおもったことはポイントをつかんで自主的なリハも必要ですが1日じゅうやればいいものではないということ。毎日時間をきけて確実に行うこと。麻痺の患者さんとはちょい違うとは思います。骨髄炎の再発がようやくなくなりましたが右足が5センチ以上短縮。それは補高靴でしのげますが、屈曲が10度。こうしゅくしていて四頭筋形成をうけることになりました。形成とプレート抜去、24H足の曲げ伸ばしマシンでまげのばし。そして電気刺激、しかしリハビリがんばりすぎたら電気が走り、いたいのでリハ休んだら、へたでゆうめいなペーペーのお医者にしかられました。あんまりいたいので、看護師さんにいうと、あしがおれているのが確認でき再OPとなりました。部長はオルソフィックスいれる意向と、子供のつかいみたいに主治医がいいました。いやといいました。2種類プレートかんがえているとか。OP室で、麻酔の先生超へた。硬膜外10回めにやっと成功。OPはじまったんですがそのへた医師が執刀、通称ちよたん。そひたらどくたーXみたいに部長はいってきて、罵声と怒号。結局きゅんちゃーとなりいまでも3本はいっています。整形最期のOPです。急におもいだしましてコメントしました。その当時のPT、えらくなって都立の研究せんたーの部長、TVによくでます。ただ部長、引退後、老健の施設長やってましたが解離でしんじゃいました。いま非代償性肝硬変でしょぼい整形OPやってくれる先生いないかも。2回目AVRなんてありえませんでした。いきているだけでいいと思います。
整形でも主治医の力量、スタッフ、麻酔科医の実力、他科のサポートうけられないとです。ちょっと表題とそれました。
ひでほさん>>それはまさにドクターXですね