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糖尿病というとどんなイメージがありますか?

「毎日インスリンの注射をしないといけない」

「内服薬が手放せない」

「食事制限がきつい」

「合併症の恐怖が常に付きまとう」

・・・・・・

などいろんなイメージをお持ちかと思います。

そんな中で「食事制限」についてですが、糖尿病患者さんは医療者から厳しい食事制限を言われます。

それは糖尿病を悪化させないためには食事制限が大切になるからです。

糖尿病には食事制限以外にも運動や薬物療法といった、気を付けないといけないことがあります。

糖尿病の管理には食事を制限して血糖の上昇を抑えることが大事なのはわかります。

しかし80代、90代の高齢糖尿病患者に「あれだめ、これだめ、ダメダメ」とちょっとしたお菓子も禁止して、三食以外は食べささず、三食もスカスカの味気ないものばかりを提供し、ちょっと血糖値が高いとやれ薬を増量しようとか、血糖測定の回数を増やしてより管理しようとかいうのは、いかがなものでしょう。






◆ 入院するとよく分かる。医療者から言われる厳しい食事制限。

私は看護師ですから医療者側から言うと、入院中は糖尿病患者さんに厳しく食事制限をしています。

たとえば、面会に来られた家族がお菓子を持ってきたらナースステーションで預かります。もしくは持って帰ってもらう。

そして看護師間で「もう!糖尿病だっていうのに。お菓子とかケーキとか持ってくるなんて家族も非常識だ。あんなんだから糖尿病になるんだよ。家族も分かってないなあ」という話しがあがります。どこの病院にもこういうことを言う看護師はいるものです。

医療知識からすると正論なのかもしれません。

健康に向かうためにはまっとうな理論なのでしょう。

分かりますが、最近は徐々にこうした「厳しい食事制限」を見直す考えが広がってきています。


病気は一律「こうだ!」と決まったものではなく、患者によって治療やケア、日々の生活スタイルが違うことがあります。

食事はまさに生活スタイルそのもの。

あまりに治療の枠から離れてしまう生活スタイルはどうかと考えますが、ある程度の自由が認められるのはよくあることです。


◆ 超高齢糖尿病患者にそこまで厳しい食事制限は必要か?

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これには医療者の間で賛否があります。

きちんと管理しないといけない派ともうそんな年齢の人を厳しくしてもなあ派。

どちらも言い分があるのですが、私は後者派です。


ひと昔前は前者の考え方が医療業界を支配していたように思えます。

最近は後者の考えの医師が増えてきて、私の周りにもそういう考えのドクターがいらっしゃいます。

入院中だけ厳しい食事制限をしても、退院すれば結局お菓子やらを食べるんですから。

あまり意味ないと考えられます。

80・90歳代になればもう余生は食べたいものを食べればいいじゃない。どうせ若者みたいにガツガツ大食いしないでしょ?

ちょっとだけ羊かんを一切れ食べたり、お饅頭を一個二個だけ食べたり、ゼリーを一個食べたり、いいじゃない。

どうせ全部食べ切らないんですからね。

それに食の楽しみは大切なんです。

もう人生の終着駅が見えてきた年齢なら、ストイックな生活ではなく余生を楽しんで頂きたい。


最近の糖尿病学会でもこうした考えが発表されていることから、超高齢者には融和な医療が提唱されています。


◆ 要はバランスが大事。杓子定規でない考え方。

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こうした考えを持ったドクターにより、高齢糖尿病患者さんに食べる量を決めて自由を認めている主治医がいます。入院中でも「ここまでならいいよ」と決めて患者さんがお菓子を食べることができるようにしているドクターがいます。


要は年齢と治療のバランスです。生活の質と治療を考慮して落としどころを決めます。

超高齢になってそこそこ元気なのでしたら、お饅頭の一個や二個くらい楽しんでいただいてなんの問題があるのでしょう。

看護師もこうした考えを持つようになってきて、主治医にお菓子の許可を得ようと提案する看護師が増えてきています。前述した厳しい看護師もいますが・・・


確かに食べ過ぎは悪影響を及ぼしますが、そうでないなら「生活の質」を落とさないように暮らしていただきたいと考えます。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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