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認知症になったら一人暮らしはできないのでしょうか?

いいえ、できます。

できますが、不安を持つのは当然です。

不安解消のためには、どのような関わりや考え方がいいのでしょうか。




◆ 他人が手伝うと、とたんに自分でしなくなる。

認知症になっても一人暮らしはできるのです。
まがりなりにもできるのに、周りが「危ないから」といって子どもの家に同居させたり、施設にいれたりすると、とたんにできることができなくなるものです。
認知症が始まったからといって、たちまち身の回りのことができなくなるわけではありません。

まがりなりにも生活ができているうちは、自分でさせてやるのが一番です。

周りが手を出してやることを奪ってしまうと、たちまち認知症が進みます。


周りのよかれと思っていることが、実はあだになってしまうのです。


ですから、認知症だからといっても、何とか生活できているうちは、そうさせておいたほうがいいのです。


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私の経験でもそうです。

94歳の女性が一人暮らしをしています。中程度の認知症があります。脱水や誤嚥で入院も何度かしました。一人で歩くことはできません。本の数メートルくらいなら伝え歩きで行けるくらいです。言葉は失礼ですが、もうヨボヨボな感じです。

でも一人暮らしができるんです。

訪問介護も使っていますが、うまく機能しているのでしょう。

社会福祉サービスを利用していいんです。そのための制度ですから。


ちなみにこの94歳の女性の息子さんは、

「ボクが家に行ってあれこれ手伝うと頼ってくるから、あまり家には覗きにいかないようにしています。」

「なるべく自分でさせてあげてください。すぐに人に頼ってできなくなるから。」

「母は自宅で死にたいと言っています。できるだけ自宅生活をさせてあげたい。」

こういうお考えを持っておられます。


で、実際に一人暮らしができているんですね。


認知症になっても、なんとかできる人が結構いるのです。

もちろん、あまりに症状が進行してしますとやはり難しいでしょうが、常に誰かを必要とする状況(行方不明の危険性がある、一人でご飯が食べられない等)でないのなら、なんとかなるものです。


実際に認知症で一人暮らしをしている方は意外といるのです。


まったく放置しておくわけではありませんが、地域のなかでまがりなりにも生きていけるのです。


◆ 一人暮らしは、認知症の方の自立を促せる。

医療者は決まって「認知症があるから一人暮らしは無理です」と言うでしょう。

私は看護師をしていて、病院で勤務をしていますからよく分かります。

多くの医療者は無難な道を選ぶのです。

もし、一人暮らしをしてなにかトラブルが発生したら、「病院が一人暮らしができると言ったじゃないか」と病院側の責任にされるのを恐れるからです。

ちょっと心配だなぁという段階で、もう一人暮らしの可能性を否定してしまいがちです。

認知症の方の自立を諦めるように助言をするのが一般的に多いと思います。


でも前項のような例があるように、一人だとどうしても自分でなんとかしようとして考えるものです。

別の例ですと、今まで一人暮らしをしてきた認知症の患者さんが入院してくると、たちまち自立する力が落ちて退院後は施設入所というのをたくさん見てきました。


たしかに認知症になると今までできていたことが少しずつできなくなります。

でも必要以上に周りが手を出すと、さらにできなくなります。

その人の持っている能力を最大限発揮できるように、いい塩梅のお手伝いをしていくのが大切です。

これはけっこう難しいことですので、ケアマネージャーさんとよく相談したほうがいいでしょう。


◆ 型にはまった生き方をしなくていいんです。

認知症になると今までできていたことが、徐々にできなくなります。

家の中や外が汚くなってきたり、約束事が守れなくなったり、さまざまなことができなくなってきます。

そうすると近所から悪評判が立ちます。

「〇〇さんとこ、最近危ないんじゃない?いつか火事でも起こすよ」

「息子さんはひどいね。こんな状態になっている親の面倒を見ないんだから。はやく施設にいれるとか自分で見るとかしないと大変なことになるよ」


家族はこれに耐え切れずに施設に入れたりしますが、そうすると介護スタッフがいたり、立ち上がると転倒するから勝手に立たないでと言われたり、何をするにもナースコールを押してねと言われ、押さないと怒られ、自分から何もしなくなってしまいます。


これは誰もが望んだ老後ではないはず。


私たちは認知症の一人暮らしの人に、今までの価値観を求めすぎているのです。

認知症になると、当たり前だったことができなくなるんです。

夜は起きてゴソゴソしている、ゴミ出しの日にちゃんとゴミを出さない、畳の上でいつの間にか寝ている日々、ご飯は三食食べない、風呂はめんどくさくて毎日入らない、同じ服ばかり着ている、


こういうことになりがちですが、いいじゃないですか。


これを許せないから、一人暮らしを否定する考えになるのです。


パジャマに着替えなくても寝れるじゃない。

絶対パジャマに着替えないといけないことはないのです。


本人が困っていないのなら、そっと見守るくらいの余裕がほしい。


危ないなら、そっとお手伝い。


あくまで本人に任せる。


どうしても無理ならケアマネージャーさんと相談して、介護サービスを見直すなり対応しましょう。


◆ それでも不安なら、こんなサービスもあります。

それでも不安なら、電気の使用で安否確認ができる民間のサービスがあります。

昔、電気ポットの湯沸かしをしているかどうかで安否確認をするというのがありました。

でも普段の生活は、電気ポットで湯沸かしだけをしているわけではありませんよね。

電気ポットで湯を沸かしたからこれで安心、今日も元気だねっというのは、ちょっと疑問です。


そこで、最近はこんなすごいサービスがあります。

東京電力エナジーパートナー×NNコミュニケーションズが提供する

遠くても安心プラン」



これはカメラを家中に設置して見守るのではなく、


8つの家電を使って電気の使用状況から見守るタイプのサービスです。


普段どおりの生活をしているだけで、そっと見守るサービスです。

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画像:HPより引用

よく使う家電、8つをそれぞれ電気使用を監視して異常がないか見守ってくれます。


異常な使用状況がないか、または普段の使い方をメールで送信してくれます。

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画像:HPより引用


異常があれば教えてくれます。

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画像:HPより引用

たとえば長時間、掃除機がつけっぱなしだと、自動的にメールを送信してくれます。(認知症や転倒して動けないなどの早期発見につながります。)

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たとえば、昼夜逆転で夜間に起きている場合、

「〇〇さんは、最近深夜時間帯に家電をお使いのようです。

生活リズムが崩れている可能性があります。

なにか変わったことがないか、一度ご連絡をしてみてはいかがでしょう。」

といったメールが届きます。


このメールは最大5人まで送信ができます。

なのでヘルパーさんに登録しておくと、いつも来てくれるヘルパーさんに異常の連絡がいくことも可能です。

また、異常時にはスタッフを自宅まで派遣させることもできます。

電気会社に関係なく、全国どこでも設置できます。


最近はこうした便利で安心なサービスがあり、認知症の方の一人暮らしをサポートしています。

興味がある方はこちらからどうぞ⇩⇩



このように周りのサポートで一人暮らしが可能になるのであれば、無理に施設に入れてしまう必要はありません。

使えるものは何でも使うことが大切です。

本人が困っていないのなら、近所に迷惑がかからないのなら、一人暮らしはまがりなりにも可能になります。

これからは国も在宅医療を推進してくるのは間違いありません。

「何が何でも在宅で」ということではなく、周りが少し寛容になれば認知症の方でもまだまだ一人暮らしができるのです。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。




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