こんにちは、ピストンです。


そろそろインフルエンザがやってくる季節になりました。


さて、多くの方がインフルエンザ予防に思いつくのが、

「手洗い・うがい・マスク・人混みに出かけない」といったところでしょう。


しかし、この「うがい、マスク」にインフルエンザ予防の効果はほとんどありません。



予防でよく言われている「うがい、、マスク」には、インフルエンザにかかりにくくなるというデータはほとんどありません。



● では厚生労働省のインフルエンザ予防対策はどういっているのでしょうか?


厚生労働省 平成30年度 今冬のインフルエンザ総合対策について の中には以下のことが書かれています。


インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられます。

1) 流行前のワクチン接種

2) 外出後の手洗い等

3) 適度な湿度の保持

4) 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

5) 人混みや繁華街への外出を控える



この5)の中に、「やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。」


として、マスクの着用があります。人混みの中では誰が咳をして唾が飛んでくるかわかりませんから、そういう意味ではマスクをしておけば、ある程度はマシだろうということです。


本来マスクは、自分の唾液を外に飛び散らさないためのものです。


咳が出る人こそ、するものなのです。


なんにも病気にかかっていない人がマスクをしても、する意味があまりない。


唾液を飛び散らさないためにあるのが、マスクなのです。


そもそも不織布マスク(いわゆるサージカルマスク等、一般に売っているマスク)は、ウイルスの通る隙間がいっぱい空いていますから、しかも鼻や頬周りに少し隙間もありますし、唾液を通さないくらいで、ウイルスは通します。


厚生労働省は、「咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。」

と言っており、そういうものなのです。


咳やくしゃみをしない人、かかっていない人もマスクをしましょう、とは一言も書いていません。


インフルエンザは飛沫感染ですから、唾液を周りに飛ばさせないことが大切なのです。

だから、インフルエンザにかかっている人こそ、マスクをするべきなのです。


厚生労働省インフルエンザ啓発ポスター.png

厚生労働省のインフルエンザ予防啓発ポスターです。ここにも「うがい」はありません。インフルにかかっているマメゾウ君だけがマスクをしています。かかった人だけマスクなのです。



● 厚生労働省のインフルエンザ予防啓発はどうなっているのか?


毎年、厚生労働省のインフルエンザ予防対策を見てチェックしている僕は知っています。毎年、厚生労働省は「かかりたくなければマスクをしろ」とは言っていません。


マスクをすることは予防ではないのです。エビデンスがないんです。


「うがい」に関しては、書いてすらいません!


毎年厚生労働省のインフルエンザ総合対策を読んでも、「うがい」は一言も出てきません。


毎年読んでいる僕が言うから間違いありません(←しつこい)


厚生労働省のインフルエンザ予防で重要なのは、ワクチン接種と手洗い、あとは人混みを避けることです。


予防としてマスクやうがいをすることは、エビデンスがない。


しかし、やっても特に害はないですから、何が何でもするなとは言いませんが、予防の意味はあまりないということです。



● では別のところで、国立感染症研究所はインフルエンザ予防についてどう言っているのでしょうか?



国立感染症研究所のインフルエンザ予防の項目では、

「インフルエンザの流行期を迎えるにあたり、飛沫感染対策としての咳エチケット(有症者自身がマスクを着用し、咳をする際にはティッシュやハンカチで口を覆う等の対応を行うこと)、接触感染対策としての手洗い等の手指衛生を徹底することが重要である。」


同じく「咳をするとき」はマスクをしてと言っており、罹患していない健常者が予防的にマスクをしてとは書いていません。

「うがい」に関する記述はありません。


厚生労働省も国立感染症研究所も同じく、マスクやうがいは予防として認めていません。


知らなかった人には、びっくりで意外と思われるでしょうが、そうなんです。


これは、医療者でも知らない人が多いのです。


子どもの頃から「うがいしなさい!」「マスクしなさい!」って親や学校の先生によく言われて育ってきましたから、今更効果がないなんて信じがたいことでしょう。


いまだにマスク・うがい信仰は根強いです。



●やはり一番効果的なのはワクチン接種



それよりもワクチン接種、手洗い、人混みを避けるほうに目を向けるべきでしょうね。


「ワクチン接種しても、私は去年インフルエンザにかかったわよ」

「予防接種しても結局かかって39度の高熱が出たわよ」

という人は必ずいます。


しかし、それは、あくまで個人レベルの感想なのです。


インフルエンザ予防接種をすると、確実にインフルエンザにかかりにくくなるのです。 毎年です。


予防接種 イメージ.jpg


アメリカのCDC(米国疾病対策センター)という権威ある機関のデータで、インフルエンザワクチンは毎年確実に効いているのです。

効果は年によって違いますが、60%のこともあれば30%のこともあります。


毎年全世界で膨大な患者が生まれるインフルエンザ。その30%でも減らせられれば、ものすごい人数が救われるのです。


個人の経験や友人や職場の人や学校の友達といった小さい母体で考えるのではなくて、もっと広い地域で、大きな母体でデータをとると、ワクチンは確実にインフルエンザを減らしています。


ちなみに、厚生労働省の医療機関における院内感染対策マニュアル 作成のための手引き(案)で、 インフルエンザ感染患者さんに接する場合についての記述があります。詳細は割愛しますが、

「飛沫予防策下にある患者移送を行う医療従事者は、マスク着用の必要はない 」


病院で患者さんがちゃんとマスクしていたら、患者移送時は看護師さんたちはマスク着用の必要はないのです。

また「インフルエンザ患者と 1m 以内で接する時にはサージカルマスクを着用する」、とされています。


あと、学級閉鎖というのがありますが、これも実はインフルエンザ流行を鎮める効果はないとされています。


親がうるさいから、という気持ちや感情でやっているだけでしょう。


学問的には効果はないとのことです。


外出を控えるのは働いていたら無理ですから、ワクチン接種と手洗いをやっていきましょう。



(追記)

市販のマスクでよく「ウイルス対策」とか「ウイルス防止」といったような文言でパッケージに書いてあるものがあります。よく見ると「ウイルス飛沫」の防止となっています。

つまり自分が咳やくしゃみをしたときに唾液にくっついているウイルスを飛沫してしまうのを防ぐという意味です。ウイルスを吸い込まないという意味ではありません。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。









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