こんにちは、ピストンです。


前回「インシデントレポートは個人を責めてはいけない」というお話をしました。


今日は、これのもうちょっと付け足しのお話をします。


脳科学の世界では、脳はクセがありまして、「後知恵バイアス」という癖があります。

「あとぢえばいあす」といいます。

英語では「Hindsight Bias」といいます。


後知恵バイアス1.jpg


心理学でも使うかもしれませんが、どういうものかというと、

何か失敗やミスやトラブルが起こった時に、「それは予測可能であった。だから回避できたはず」と脳は考えがちだということです。


ミスやトラブルが発生したときに、よくこう言われませんでしたか?

「なんでそんなことやったんだ!こうすればよかったのに!」

「そんなことしたらミスになることくらい、分かるだろう!」

「そうなると思っていた」


その上司は、いかにも事故が起こることを分かっていて回避できただろうと言わんばかりです。


これは、あきらかに脳の癖で「後知恵バイアス」です。


後からそんなことを言われても、インシデントを起こした当事者にはどうしようもありません。 もう起こってしまったのです。


上司もそんなことを言ったところで、起こってしまった事故にはどうしようもないことは分かっていますが、言ってしまうものなのです。

これは脳の癖なのです。


脳には妙なクセがある池谷裕二.jpg

扶桑社 池谷 裕二 (著)


 脳には妙なクセがある 脳科学を勉強すると、こういう脳の癖が分かって面白いです。


この「後知恵バイアス」は、世界共通らしいです。外国人もそんな脳の癖があります。


そしてこの「後知恵バイアス」はなかなか消えないそうです。


普段から意識して気を付けている人でも、これを頭から無くすことは難しいとのことです。


「あの時こうしておけば、失敗しなくて済んだのに・・・」と当事者も考えがちですよね。 やっぱりこれはなかなか思わないようにするのは、難しいようです。


インシデントが発生した時は、報告する側もされる側もこうした「後知恵バイアス」に注意する必要があります。


医慮安全は、こうした脳の癖というか、心理ということも勉強しておくと、より気持ちの良い職場環境になると思います。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。



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