現在、私は回復期リハビリテーション病棟で看護師として働いているのですが、そのなかで、いろいろと考えることがあります。
そのひとつが、「この患者は、リハビリをするべきなのか」ということです。
つまり、80歳代や90歳代の患者が入院してくるんですが、元気というよりも、廃用が進んでいたり、麻痺が強いなどで意思疎通が難しい患者が来ることがあります。
また、80歳代や90歳代で、そこそこ元気な患者もいるわけです。
(まあ、入院してきて元気っていうのもどうかと思いますが)
そういう患者は、はたして、リハビリが必要なのかなって思うのです。
前の病院の主治医がまあ、リハビリが必要と判断したんでしょうが、
それにしても、リハビリが本当に有効とは思えない患者がたくさん転院してきます。
なかには、100歳を超える患者もいるのです。
本当にリハビリが必要ですか。
あなたがもし、100歳になったら、リハビリしますか?
ご存知のかたもいるかもしれませんが、回復期リハビリテーション病棟では、365日年中無休で、リハビリが行われています。
そのへんのサラリーマンでも週休2日なんですよ。
1日のリハビリ時間が2~3時間くらいですが、それでも毎日休まず、リハビリや運動をするわけですよ。
入院中は。 90歳代になって、毎日毎日。
それってどうなんですかね。
たしかに、元気になりたい、元気になってほしい、元の生活に戻ってほしい、って考える家族がいるのはよく理解できます。家族はそう思うのも無理はないでしょう。
私たち家族ではない人間がその人の方針をどうこう言うのはおこがましい事かもしれません。だから口には出したことはありません。
しかし、毎日休みなくリハビリをしていると、「今日はリハビリはやめておく」「今日はしんどいから」とリハビリを拒否されることがあります。
毎日リハビリですから、たまにはそういう日があってもいいと思います。
でも病院には「リハビリ単位」というものがありまして、一定の単位をこなさないと診療報酬にひびく仕組みになっています。なので、「ベッド上でもいいから」と無理にリハビリをおこなうことがあります。
歳をとっていくと、やっぱりいろいろな身体能力が衰えていくんです。
若い時と違って、なかなか思うように力が付かないです。 で、入院中に、体調が悪くなって、結局リハビリどころではなくなってしまう。
そんなことって、けっこうあるんです。
なので、超高齢になったら、縁側でゆっくりとお茶でも飲んでもらってゆっくりしていただければいいのではなか、と考えてしまうのです。
または、老人施設や療養型病院やらでゆっくりした時間を過ごしてもらってはどうかなと考えるのです。
たしかに元気になられる超高齢者もいらっしゃいますが、これには、家族もしっかりと勉強をしていただいて、倒れられた家族の予後やお金の問題やら性格や以前言っていた発言等、いろいろ勘案して本人には何が必要なのか判断していただきたいと思います。
それでは、最後まで読んでくださってありがとうございました。
初出掲載:2018年9月25日 更新日:2019年11月15日
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